カテゴリ:実験・観察( 10 )   

光る液体の謎   

2007年 07月 30日
Grignard反応について書きましたが、もう1つ反応を挙げたいと思います。
それは何かといいますと・・・

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コレ。

キラービー様の結婚披露パーティーでキャンドル
サービスならぬ、 「化学反応サービス」 で魅せ
てくれた蛍光発光する液体です。

着色された液体に透明な液体を加えると一気
に発光する。

この現象を 「化学発光」 といいます。
酸化剤存在下で励起状態生成物になり、基底状態へ時に戻る時に発光するというメカニズム。

・・・う~ん・・・・・・化学屋さんじゃないと分かりづらい。

物質の酸化が切っ掛けで不安定な高エネルギー状態になり、元の安定した低いエネルギー状態へ戻ろうとする時に余分なエネルギーを光に変換して放出するわけですが・・・。

まぁ早い話、運動して体温が上昇(高エネルギー状態)すると、汗(光)を出して体温を下げる(低エネルギー状態)ようなイメージ・・・かな?

なお化学発光の一般例としてはコンサート会場や遊園地で見かける “光る棒(ケミカルライト or サイリューム)” 、ホタルが該当します。

んで、だ。
私が一番気になっていたのは使われている試薬

調べまくった結果、青はルミノールらしい。
ペリレンという試薬でも青色に発色するようですが、数秒しか持たないとの事なので間違いないでしょう。

・・・って事は、ルミノール反応を間近で見れたのかぁ♪
ルミノールが酸化されて3-アミノフタル酸になる際に青色発光する反応をルミノール反応というわけだし!

また、キラービー様ご夫妻が注いでいた試薬は過酸化水素(オキシドール)。
おぉう♪ 消毒液配って歩いていたのね♪♪

久しぶりに本格的に調べ物をしましたが、学生時代に戻った感じで楽しかったです。
とてもお勉強になったわ~ (●^o^●)
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by aniline-black | 2007-07-30 23:07 | 実験・観察

科学マジック   

2007年 07月 25日
最近はマジシャンの “セロ” が注目を集めています。
手品に興味が無い訳ではありませんが、どうしても科学が絡むショーの方が好きで見てしまう。

個人的に気に入っているのは、やはり “米村でんじろう先生” でしょうか。
実は大学時代、『米村でんじろうサイエンスプロダクション』 でアルバイトをしていた友人経由で実験備品を分けて頂くなど、さりげな~く(?)お世話になっていた事があります。

しかも 「就職が決まらなかったら、入れて!」 と友人から米村先生に頼んでもらい、就職しようとしていたこともありました (^^ゞ

直接会っていないけれど妙に親しみを覚えます。
当時の実験や米プロ裏話が懐かしいな~♪

・・・ちなみに先生のお名前は・・・
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by aniline-black | 2007-07-25 17:17 | 実験・観察

『Grignard』 って・・・? part 2   

2007年 07月 18日
たまには真面目に化学の事も書いてみようかと思います。
ただ 「私は専門外だ!」 とおっしゃる方はスルーした方が無難です。
ますます化学嫌いになりますので m(__)m

まずグリニャール (Victor Grignard ;1871~1935) という人物から。
フランスのシェルブー出身。学位取得中の研究をしている時に有機マグネシウム化合物の合成法と有用性を発見した。
ナンシー大学、リヨン大学の化学教授。1912年ノーベル化学賞受賞。第一次世界大戦の時にはフランス陸軍の伍長として徴兵され、ドイツの毒ガス検出法を開発している。
 <マクマリー有機化学(上) P.352参照>

 「ノーベル化学賞を受賞した伍長」 でもあったグリニャールですが、紹介にある “有機マグネシウム化合物の合成法と有用性” こそが、グリニャール反応です。

エーテルやテトラヒドロフラン(THF)溶媒中、有機ハロゲン化物(=塩素、臭素、ヨウ素との化合物)と金属マグネシウムは反応。ハロゲン化有機マグネシウム化合物を生成します。
この生成物が反応の起源になる グリニャール試薬 です。

グリニャール試薬は電気陰性度と結合の極性からマグネシウムが+に、炭素がマイナスに分極しているので、弱酸と反応。
炭素が水素にアタックをかけて結合生成し、マグネシウムの電子対が立ち上がって外れる。
結果的に炭化水素が延長されるのです。

これら全体を グリニャール反応 と呼び、発見者の名前にちなんだ反応試薬と反応名が付けられました。

炭化水素の長鎖反応は巨大分子物質の合成をする際に非常に便利です。
それだけ有機ハロゲン化物を炭化水素に変換する事が重要だった、ということなんですよね。

マニアックな人向けのブログではないので、この程度にとどめておこうかと思いますが、やっぱり専門用語が入り乱れてしまうので説明は難しいですな。。。
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by aniline-black | 2007-07-18 17:24 | 実験・観察

『Grignard』 って・・・? part 1   

2007年 07月 16日
ちらほらと気づかれ始めたこのブログですが、決まって聞かれるのは

 「“Grignard”反応って何?」

だよね~、化学屋じゃないと分からないよね (^_^;)
という事で、簡単に説明!

まず、読み方。 「グリニャール(グリニヤル)反応」と読みます。
私の専攻が有機化学。
中でもお気に入りの反応だった、という単純な理由から付けてしまいました。

反応条件を揃えれば比較的進み易く、生成物の予測が立てやすい。
大学を卒業し、化学から離れてしまった今でも思い出せる反応です。

ただ何も考えずに付けてしまった名前。
やっぱりマニアックすぎたかな~、と思う今日この頃です。
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by aniline-black | 2007-07-16 16:47 | 実験・観察

ファイヤー!   

2007年 06月 08日
またもや実験事故のニュースが。

 5日夜、徳島市立中学校の第1理科室内にあるごみ箱から出火するぼや騒ぎがあった。実験で使った硫黄と鉄の粉末が、スチールウール(金属たわし)及び付着していた水滴と反応して発火した可能性がある。
 「鉄と硫黄の反応」 の指導担当した教員は授業後、バケツに入れてベランダに置いていたが、バケツの中身を室内の不燃物用のごみ箱に移し、実験器具の汚れ落としに使ったスチールウールも一緒に入れた。スチールウールには水滴がついていたという。
 消防署にて原因を調べているが、現場確認をした署員は 「鉄と硫黄と水を合わせると化学反応で発熱するが、最高でも90度までといわれている。発火するのは非常にまれな例」 と首をひねる。

 徳島大総合科学部の教授の話では 「ごみ箱に入れられたスチールウールそのものが、新鮮な鉄分として硫黄と反応したのではないか」 とみる。


う~ん、別にして放置したところまではよかったのに・・・。

鉄と硫黄の反応は目に見えて解りやすいので、よく扱われます。
ただし未反応分が出る事、この反応は自然に進行する事、そして出火の可能性も考慮しなければならないので厄介な実験の一つなんですよね。
 ● VS 悪臭

私の場合は一日以上ビーカー等の耐熱ガラス器具に入れて放置し、さらに袋に入れて密閉状態 (燃焼の条件は引火点、酸素、可燃物の三つであり、この酸素を絶たせる目的) で廃棄していました。

また汚れの落ちない廃棄予定の試験管をあえて実験で使用し、そのまま袋に入れて密封処理という方法も楽でした。

で、もう一つ気になる表記が。

 硫黄は空気中に含まれる程度の酸素でも反応して熱やガスを発生させるため、取り扱いが難しい。同教授は 「設備の整った大学でも敬遠しがちな物質。発熱の実験をするなら、カイロが温かくなる原理と同じだが、活性炭と塩水と鉄を用いた方が安全で、後始末も簡単」 と勧める。
 ● 致命傷
 ● VS悪臭 Part2

今回の実験は化学反応の前後で違う物質に変化する事を確認する事が目的。
活性炭、塩水と鉄の全てが化合して別のものに変化するわけではないので、少々目的が違う気が・・・。
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by aniline-black | 2007-06-08 22:37 | 実験・観察

必死な実験   

2007年 01月 16日
c0104662_09592.jpg理科実験助手という仕事を始めて2年目になりますが、全く実験を行った事がない理科教員もいらっしゃいます。

もう今年度は実験をやらないと思っていた物理担当Kさんの実験に初めて立ち会うことになりました。

実験内容は「断熱圧縮」。大型注射器のような装置を使います。

ピストンでパイプ管内の空気を圧縮すると高温にさせ、管内に入れたティッシュのかけらを発火させるというものです。

話だけ聞くとすごく簡単そう。

私が未経験の実験だと知ったKさんは、生徒に別の実験をやらせている間にやらせて下さいました。

・・・で、やってみると・・・出来ない・・・。

瞬間的に圧力をかけなければ発火する温度に達しません。しかも空気の圧縮ですから、かなり力が要ります。

・・・私がやると水蒸気が出来る程度にしか温度が上がらない・・・。

失敗すると中の空気を入れ替えなければならないので面倒なはずなのですが、親切なKさんは何度も装置を作り直して下さるのです。

・・・でも出来ない・・・。
鍛えているはずなのに・・・!一般女性に比べて力はあるはずなのに・・・!!

しまいには 「生徒の前でやらないほうがいいかもね~。」 と言われてしまいました。

なんか悔しいゾ!
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by aniline-black | 2007-01-16 15:52 | 実験・観察

空飛ぶアルコールランプ   

2006年 12月 13日
アクセス解析の検索ワードでこんなのがありました。

 「理科 アルコールランプ 事故例」

そうそう!
実はアルコールランプはガスバーナーよりも扱いに気を付けなければならないのです。

 『燃料が液体なので不安定な場所に置けば転倒し、アルコールがこぼれて周囲に引火する』
 『炎をアルコールランプ同士で点けると、アルコールがこぼれて周囲に引火する』
 『アルコールランプの芯は5mmとしなければ、調度良い炎が得られない』

・・・なんてのは当たり前です。結果が想像できますよね?
では 『アルコールは8分目まで入っている事を確認する』 理由はなぜでしょうか。

正解は ”アルコールランプ容器内で爆発限界を作らない“ ためです。
これを知ったのは大学時代でしたが、本当に予想外でした。

気化したメタノールと空気が爆発可能な混合比になっており、引火する温度に達している・・・この条件を爆発限界といいます。

要はアルコールランプの上では炎がバンバン上がっているわけですし、熱によってエタノールは気化していきますから、爆発可能な条件は揃っている訳なのです。

c0104662_2353537.gif大学時代の恩師は小学校教員をやっていた頃、使用中に爆発限界となり、アルコールランプの芯を2メートル程飛ばしたそうです。
(哀れ、生徒は髪が焦げたとか・・・)

このような事故が起きる確率は低いのですが、やはり気を付けねばならないものですね。
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by aniline-black | 2006-12-13 22:54 | 実験・観察

致命傷   

2006年 11月 18日
c0104662_23375682.gif ・・・声が出ない・・・

教職員にとって一番厄介な事。
硫化水素を吸ってしまってから声が出し辛くなり、それでも仕事があるので喉を労わる事なく声を出していた。

結果、さらに悪化。声が全く出なくなりました。

ヒソヒソ話程度が声の最大値。話し相手も自然と声が小さくなり、内緒話をしているように見えます。 「内線出なくていいよ~」と言われるものの、こういう時に限って私への内線が多い。

また「声が出ない事」をアピールする為にマスクをしたが、逆に目立ってしまい、生徒が続々と話しかけてくる。決まって第一声は

 「どうしたの!?風邪!?」

一から説明する事になるので、かえって喉を酷使している。状況を把握すると

 「先生、ヤバイよ!」

 (・・・うん、自覚してる。)

健康上の問題より、話すことが出来ないストレスの方が大きいのだ。
授業がまともに出来ないし、生徒も気を遣って話しかけてこないのも少々寂しい。
声の大切さを痛感する日々・・・

一応主任の提案で、実験中は筆談orプラカードを持ち歩く。それで静かにならなければ壁蹴る事になりましたが・・・上手くいくのでしょうか?

ちなみにプラカードをもっての授業、「らんま1/2」のパンダ状態で個人的には楽しそうだな~と思っています。
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by aniline-black | 2006-11-18 22:41 | 実験・観察

VS 悪臭   

2006年 11月 16日
実験中止の余波で、演示実験の出張サービスの回数が増えてきました。
本日の実験は 「硫黄と鉄の化合」 です。
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硫黄と鉄の粉末を混合し、アルコールランプで熱すると赤く輝くようになります。
ただ混合しただけでは磁石にもつきますし、塩酸を加えれば水素が発生します。(鉄が存在していますからね~) しかし反応後は鉄と硫黄が化合し、硫化鉄になっているので磁石にもつかなければ、水素も発生しません。その代わり・・・

反応終了後も若干感じるのですが、塩酸を加えるとあら不思議!硫化水素が発生し、一帯は卵が腐ったような臭いに包まれます。

・・・温泉地で感じるような臭い・・・生徒たちはその程度の感想で済むのですが、予備実験から授業、片付けまで全てに関わっているこちらはその程度では済まないのが現状です。

簡単に言ってしまえば、有毒な火山ガスと同じ成分を吸いたくもないのにガッポリ吸ってしまうのです。換気が簡単な実験室ではなく、教室なのでかなり辛い。

若干荒れ気味の喉に、硫化水素・・・

 がほっ!ゲホ!!ゲハッがふっグ★※○▲$!!!

あっという間に喉の痛みが出てむせ始めてしまいました。
しゃべるのも一苦労・・・明日から授業参観なんだけど、どーすんのじゃ!?
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by aniline-black | 2006-11-16 09:00 | 実験・観察

爆発か!?   

2006年 11月 14日
 「実験事故が起きた」

職業柄、そういったニュースに敏感になります。

14日午前10時5頃、千葉市内小学校の理科の授業中にフラスコが破裂。6年生の児童3人と女性教諭が手などに軽い切り傷を負った他、児童5人が耳鳴りなどを訴え、合わせて9人が病院に運ばれたとか。

アルミニウム粉と塩酸を混合させ、水素を発生させる実験中だったらしい。水素の発生を確認する為、フラスコにマッチの火を近づけたそうで・・・。

普通、発生させた水素は上方置換か水上置換(空気より軽く、水に溶けにくいため)で行います。フラスコに直接なら、「事故は当たり前」になってしまいますね・・・。常に爆発性の原料が供給され、水素が充満したところに火を近づけてしまったのですから。

とはいうものの、今は他人の事故を考察するほど実は余裕は無い。なぜなら、一歩間違えれば同じようにニュースになるだろう事が多発し、実験中止になった学年が出たからなのです。

 原因は「ガスバーナーに紙玉を詰めた」事。

前のクラスでそのような悪戯がされた事を知らないで使った班員は一生懸命、赤い炎を青い炎へ変えようとしていた・・・その時!ガス調節ねじと空気調節ねじの隙間から火を噴いてしまいました。c0104662_165304.gif

実はコレ、本当に大事故になるところでした。下手をすると炎がガスバーナーとホースの接続部へ逆流し、バーナーごと爆発してしまう可能性があったのです。実際、過去に事故例もあり、被害にあった生徒さんは失明してしまったのです・・・。
炎がガス調節ねじと空気調節ねじの隙間で出る程度で済んだのは不幸中の幸いでした。

数ヶ月前にも実験事故未遂を起こしている学年。直後に全クラス実験停止を言い渡されています。全体指導が行われ、反省したと判断し、実験を再開したのですが・・・意味がありませんでした。

「何か問題があれば適宜報告せよ」との主任からの指示があったので、迷わず報告。再び全体指導となり、卒業まで実験停止という結果になったのです。

全体的に見れば、授業すら成り立っていない環境で実験する事は無謀であるし、私も助手の立場をかなぐり捨て、実験を中止させる権限が欲しくなる事が多々ありました。(理科助手は、あくまで実験補助でしかないので、「こりゃダメだろう!」と思っても授業を乗っ取る権限はありません・・・となると、便りの綱は理科主任になります。)

理科主任の下した判断は妥当だと思っています。

しかし、真面目にやっている生徒は本当に可哀相で仕方が無いのです。
実験となると、ブレザーを脱ぎ、シャツの袖をまくり上げ、自分から積極的に行動する・・・そんな生徒がいました。大手企業が欲しがる様な人材です。私もそんな彼の実験スタイルが好きでした。

でも、もう出来ない。

どうなるんだろう・・・自ら授業に対する意識を改め、反省の意を示して意見をまとめて教員側へ持ってきてくれないだろうか・・・

担当教諭はどのような授業をされるのだろう・・・実験をさせない座学だけで、生徒の興味を引かせることはできるのだろうか・・・



以下は私からのメッセージ。

〈生徒たちへ〉
実験から学ぶ事は自然科学的な現象だけではないよ。
予想を立てて、実際に行動し、結果をまとめ、考察する・・・何かを造り上げたり、報告をする時に必要だよ。社会に出て働いた時、きっと分かるから。

実験の危険はいつでもある。でも先生の話を聞いて、正しく行えば問題は無いからおびえなくていい。だから実験中にふざける事は厳禁だ。
ふざけていて怪我をしたのが他人だったらどうする?傷ついた目を交換してあげる?手を交換してあげる?・・・出来ないよね。一生かけて、償わなければならないよ。


〈理科教員を目指す方々へ〉
座学での授業が整っていない場合、実験は無理でしょう。目の前には遊び道具が沢山ある、としか認識しません。
公立の場合、どのような雰囲気の学校に赴任するか分かりません。助手がいない学校も多いです。実験自体が、簡単には行えません。
理科の面白さは実験で直接体験させ、教えるもの・・・と考えない方が宜しいかと思います。実験中に遊んで何も得ることがなく時間が過ぎてしまうくらいなら、教室で授業をした方が学びは多いでしょう。
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by aniline-black | 2006-11-14 09:00 | 実験・観察